円い箱 〜アトリエ朋便り 
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先週、無事に引渡しを終えた姫ハウス。
Oさんの引っ越しもすべて終わり、年明け早々、旧家は解体されることになります。
もちろん、新居の完成は喜んでくれているのですが、
住み慣れた家を手放す事になったのは、もともとは本意ではなく、外部からの事情があっての事。
寂しい思いは、引っ越しが近づくに連れて強くなっていたと思います。

思い出の詰まったこの家が、ただ壊されただけではなかった。。。という事実を残してあげたくて、
おせっかいを承知で、ある方に相談。
家の中の何か一つでも、形を変えて新しい使い手のさんの元で、その命を永らえさせてあげられたら・・・
という想いを受け止めて下さり、全力で協力していただきました。
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ご自分のお店では引き取れないものも、同業のお仲間に声をかけてくれて、結果、軽トラックいっぱいになるくらいの荷物を引き取ってくれました。
正直、特別価値のあるものはひとつもなかったのですが、それはもう、フックやドアノブ、電気のソケットなど、取り外す方が手間ですよね?という細かいものまで拾い上げて下さって、それらを「次のお客さまの生活の中で長く使ってもらえるような商品に仕上げ直しますね・・・」と。泣けてきます。

Oさんのお母様がどうしても手元に残しておきたかった家具もきれいに仕上げ直して下さって、Oさんに、本当に喜んでいただくことができました。
「価値」ってなんだろう。。。って思いますよね。
まだまだこの国では、ものを大切にする事や伝承していく事において、
言葉や上っ面の思想だけが独り歩きをしている感があり、
とくに建築業界では、その重要性を、
制度を整える事でしかアナウンスできなくて、本質が置き去りになっているのが現状ですが、
本当は、もっとシンプルな事なんだよと、あらためて教えてもらった気がします。

面識もなかった私からの依頼に、快く、全面的にご協力してくれたのは、
小金井市に店舗を構える「antiques-educo」さん。
こんな風に、モノを、そして人の気持ちを本当に大切に扱ってくれる人と出会えただけで、
なんとなく、自分の未来に明るい光が差してきたような気さえしてきてしまいます(笑)。
大切にしたいご縁です。